2015年9月21日月曜日

CCIEに合格した勉強方法・勉強時間

私がCCIE Routing & Switchingに合格するに至った、
勉強方法・勉強時間を公開します。

◆勉強時間の確保について

おそらく、モチベーションを維持し続けることが一番大変です。

膨大な勉強時間(1000時間以上)が必要となりますので、
まずは日常生活の中に勉強を習慣として取り込む必要があります。
私の場合、以下の目安で勉強を続けることを心掛けました。

平日:1~3時間
休日:5~10時間

私の場合、平日であれば通勤中に1時間、
帰宅後の21時から2時間の合計3時間は勉強しました。

他に予定があって勉強できない日もありますが、
勉強を習慣化 していれば、翌日は勉強することができます。


◆筆記試験対策

所要期間:約3か月

所要時間:約100時間

英語ということを除けば、CCNPの延長線上として学習し、
合格することも可能かと思いますが、
英語が苦手な方はまず克服が必要です。

以下の通称黒本は、v4の筆記試験(350-001)対策本ですが、
設問は実試験に沿って英語ですが、解説は日本語です。
必須英単語リストも付属していることや、
内容のうち、現在もほとんどが試験範囲であり、
日本人向けの丁寧な作りであることから現在もお勧めできます。

○黒本


私が受験した際はv4の筆記試験(350-001)だったので、
当時の公式本を読みましたが、
現在であれば以下を周辺知識の補充をするために熟読します。

○Cisco公式本(1)


○Cisco公式本(2)



◆ラボ試験対策

所要期間:約15か月

所要時間:約1000時間

(1)書籍の熟読

まずは日本語の解説書である下記で肩慣らしをするのが良いと思います。

○究めるOSPF、究めるBGP、究めるIPマルチキャスト
https://www.n-study.com/csmart/index.cgi

下記も必須かと思いますが、いずれも部分的に範囲外の内容が含まれるため、
R&Sの取得が目的であれば、試験範囲を確認した上で熟読した方が、
時間を節約できるかと思われます。

○バイブル本


○MPLS本



(2)ラボ演習

以下をいずれも2周しました。
特定のコマンドを投入する前後で、どのコマンドの出力結果が、
どのように変化するのかを意識しました。

終わらせるということよりも、理解度を上げることを重視するのが大切です。

不明点は、すぐにGoogleで検索するのではなく、
ラボ試験中もCCOへのアクセスが可能であるため、
使い方に慣れることも含めてまずCCOで調べる癖をつけることも意識しましょう。

○INE Workbook

http://www.ine.com/self-paced/ccie-routing-switching/workbooks.htm


○Cisco公式本




◆準備したもの

(1)タブレット

Kindle版の電子書籍が読めるタブレットを買いました。
私は通勤で1時間弱電車に乗りますので、
この時間を利用してCisco Press本を熟読するためです。

紙の書籍も否定はしませんが、Cisco Press本となると、
どの本も非常に厚く重いため、持ち運ぶ気がしなくなってしまいます。

また、洋書(英語)であるため、紙の書籍に
わからない単語があった場合は、辞書アプリ等に手動入力が必要ですが、
電子書籍であれば英単語を辞書機能ですぐに調べることができます。
この点は非常に便利です。


(2)PC

当時所有していたPC(Core2Duo E6300 / メモリ2G)では、
GNS3でのフルラボ環境の動作が難しそうであったため、
WindowsXPの保守切れの時期だったこともありPCを新調しました。

好みの販売店のBTOを利用するのが良いと思います。
私はツクモを利用しました。

http://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/

以下のスペックでv5 Lab Workbookのラボ(ルータ20台強)がいずれも、
GNS3でサクサク動作します。
もう少し性能を落としても大丈夫かもしれませんが、ご参考までに。

・Intel Core i7-4770K 3.50GHz
・メモリ 16G

























(3)Catalyst + USB-LANアダプタ等の接続手段

GNS3ではCatalystの機能を完全に再現できないことから、
Catalyst3560等は間違いなくあった方が良いというのが持論です。

※機能を考慮するとCatalyst3560-X等の高額製品は不要と思います。

この記事で紹介している通り、実機とGNS3を接続することができます。
ただ、紹介しているUSB-LANアダプタはdot1q接続ができないため、
INEのラボを再現する際は、それぞれのCatalystのUpLinkを、
Accessポートとして物理接続する必要がある点、注意が必要です。

オークション等でCatalyst3560を購入する際は、
なるべく型番が「WS-C3560-24TS-S」等の
「TS」という製品を選んだ方が良いでしょう。

「PS」というPoE対応製品は内蔵Flashが16MBのため、
Cisco推奨であるVersion15のIOSをインストールすることができません。

※試験範囲ではEIGRP Named Modeが使えない程度かと思いますので、Version12のIOSでもさほど影響が無いという意見もあります。

2015年9月19日土曜日

CCIE Lab 受験記

CCIE Routing and Switching ラボ 受験記です。

まず、当日朝の移動中にお腹が痛くなったり、
試験中に眠くて力が発揮できないということだけは避けたかったため、
1週間前から6時起床と、朝食の統一を実施していました。

当日は6時に起床し、いつも通りのトーストとヨーグルトという食事をとり、
7時45分に六本木駅に到着し、妻に無事着いた旨を報告。

集合時刻は8時30分なので早すぎたかと思いましたが、
自宅でのラボ演習中に間違えた箇所などをまとめたメモを眺めていたら、
あっという間に8時15分になったので、ミッドタウンタワー21Fの集合場所に移動。

少し待っていると、CCIEプロクタの方が
身分証明書の確認にいらっしゃいました。

試験会場の案内くらいまでは日本語で話してくれるのかと思いきや、
この時点から英語で話しかけられました。
覚悟はしていましたが、海外旅行経験も無い私はとても緊張しました。

とはいえ、他の方の受験記にもある通り、
プロクタは非常にゆっくり話してくれる上に、
要点を繰り返し聞かせてくれるので
私でも理解することができました。

免許証で身分証明を済ませ、名簿にサインをします。
引き続き待っていると、私を含めて6人の受験者が揃い、
会場の近くまで移動しました。

トイレの場所や、飲み物の受け取り方の説明に続いて、
試験の注意点などを説明されます。

持ち込めるものは飲み物、上着や薬だけです。
持ち込めない荷物はキャビネットに施錠保管されます。
自身で持参した飲み物も持ち込むことができますが、
持ち出すことはできないため、水筒の持参はおススメしません。

ティッシュも持ち込むことができませんが、
プロクタに申し出れば持ってきてくれるとのことでした。

続いてラボルームに入り、実際に使用するPCを用いての説明になりました。
日本人の受験者には日本語キーボードが割り当てられ、
英和・和英辞典がデスク上に用意されます。

操作説明が終わると、Troubleshootingセクションの開始です。
順調に解決できていたのですが、
途中、どうしても解けない問題に出会ってしまい、
かつ配点の高い問題ということで非常に厳しい状態に。

気付くとこの問題に20分も使ってしまっていたため、
一旦飛ばして先の問題を解くことに。

すると別の問題でも、
要求を満たすことができない事態になってしまいました。

配点の高い問題を含めて2問が不正解だと、
おそらくFailになってしまうため、これはまずいと思いながらも、
その他の問題を解いた後で、経路上の機器の状態を確認していくと、
いずれもの被疑箇所も発見できたので訂正し解決できました。

標準の2時間を5分ほどオーバーしDIAGセクションへ。

この30分は非常に短いです。
Troubleshootingが早く終わろうが、この30分が増えることはありません。

最初の2問はそれらしき回答はしたつもりでしたが、
最後の1問は情報量が多く全部を熟読しての回答は不可能だと確信したため、
直感で回答した後に、最初の2問の精度を上げた方が確実という決断をしました。

結果最初の1問の回答を訂正しました。

そして最後のConfigurationセクションへ。

問題とトポロジを見てゾッとします。
かなりのボリュームです。本当に終わるのだろうかと心配でしたが、
やるしかありません。

何より、以下のような指示に困惑します。

・○○を設定しなさい、ただし△△してはいけません
・◇◇になるような機能を実装しなさい

本当に出題の意図に沿っているのか、
心配になりつつも、必死でConfigを投入していきます。

IGPの設定が終わったあたりで食事休憩の指示があったので、
ラボルームから退出し、隣の部屋へ移動します。

お待ちかねのお弁当です。
用意されていたのは、萬作の洋風ミックス弁当でした。













通常1000円の高級弁当ですので、味わって食べたいところでしたが、
とにかくConfigurationをどう切り抜けるかということで頭がいっぱいで、
味はあまり覚えていません。

この食事休憩は、最大30分というだけで、
全員が食べ終わった時点でラボルームに戻されますので、
休憩というよりは、単なる作業だと思うべきかもしれません。

そして午後の部が再開です。
午前中には1時間程度を使用し、3分の1程度が完了しておりましたので、
残り3分の2を4時間程度で完了させる必要があると計算しました。

見直しに1時間欲しいことを考えると設定に使える時間は3時間です。
とにかく無我夢中で設定しました。

機材トラブルでConfigが消えてしまっては泣くに泣けないので、
特定の機器でshow コマンドを実行しただけ等、
設定変更をしていなくても、ターミナルソフトを閉じるときには
必ず「wr」を打ち込んで保存していました。

何とか1時間程残して全ての設定が終わり、
Pingも全て通ることを確認できたため、
設定の見直しをすることにしました。

全部の設定を見直すことは不可能と思ったため、
単純な数値の入力間違いや、要求の見落としを潰すことに専念しました。

結果、2件の誤りを発見し修正しました。

気が付くと終了5分前ということで、
設定を保存するように指示があったので、
どう考えても全機器を保存済みだったのですが、
念のため再度全機器に「wr」を打ち込みました。

おそらく、今までの人生で一番「wr」を打ち込んだ日だったように思います。

試験の終了ボタンをクリックしてラボルームの外に出ると、
キャビネットにしまった荷物を取り出して、
再度身分証明書の提示を行うと、廊下まで連れて行かれ、解散となりました。

これが、18時少し前だったと思います。

帰宅し、妻に試験の感触を話しながら過ごしていると
20時頃に「CCIE Lab Score Report」という件名のメールが届いていました。

恐る恐るメール内のリンクをクリックしログインすると、
そこにはなんと「Pass」の文字が!

DIAGセクションの手ごたえの無さから、正直落ちたと思っていたので、
全然実感が無い状態でPassの文字をクリックしたところ、
CCIEナンバーが表示され、これでようやく自分が合格したことを理解し、
涙があふれてきました。

DIAGセクションの1問目や、Configurationセクションの
2つの訂正をしていなかったらFailだったかもしれないことを考えると、
見直しは非常に大切だと感じました。

ひと呼吸おいて、
妻と、私の勉強のために何度も何度も1歳のやんちゃな子供を預かってくれた
妻のご両親にお礼を言いました。

難関と言われる試験でも、
必死で勉強すれば何とかなるという確かな自信が付きました。
愛する家族のため、これからも頑張ろうと思いました。

以上を私のCCIE R&S受験記とさせて頂きます。