2014年8月28日木曜日

未経験でもわかるネットワークエンジニアの仕事内容とは

色々なWebサイトを見ても、一般の方には難しい説明が多いと思いますので、
この記事では、一般の方にもわかりやすく説明できることを目指します。

ネットワークエンジニア(略称:NE)はシステムエンジニアの一種です。
なので、まずはシステムエンジニアに関して説明します。

◆システムエンジニア(SE)の分類

主観的な意見ですが、大まかに分けると以下の担当範囲があります。
広い意味では以下全てがSEと呼ばれていますが、
人によって担当が異なるため、SE同士でも同じ話題が通じるとは限りません。

Twitter(個人が短文をWebに投稿したり、見たりする)を例に説明してみます。
※一般的な構成の場合ですので、事実とは多少異なるかもしれません。

(a)アプリケーション担当者(システムエンジニア)
文字を入力する箇所や、文字数超過時にエラーメッセージを表示させるなど、
どういう操作をしたときに、どういった処理・表示をするのかといった、
利用者が直接触れる箇所の担当です。

(b)ネットワーク担当者(ネットワークエンジニア)
アプリケーションから受け取った情報をサーバに渡します。
特定のサーバに処理が偏らないように負荷を分散させたり、
必要に応じて通信経路の暗号化、アクセス制御等を行う担当です。

(c)サーバ担当者(サーバエンジニア)
ユーザID、パスワードによる認証や、つぶやかれた内容の保存、読み込み等を、
アプリケーションから受け取って処理・応答する箇所の担当です。

(d)運用担当者(オペレータ)
システム内の機器が故障していないか、監視用ソフトウェアを使用して
死活監視したり、機器から出力されるエラーログ等を収集し、
異常発生時に、各担当者へ連絡する担当です。

(e)保守担当者(カスタマーエンジニア)
異常発生時、各担当者の判断により機器故障だと判断された場合、
同一機種を用意して設置場所に駆けつけ、交換を行う担当です。


◆ネットワークエンジニアの仕事内容

他業種の方にはよく誤解されますが、各個人の自宅インターネット環境(Yahoo!BBやOCN等)の準備ではなく、企業内または、企業が提供しているサービスのネットワーク部分を設計、構築するのが一般的な仕事内容です。

以下に基本的な仕事の段取りを記載します。

(1)お客さんに必要な要件を聞く
大阪オフィス内の社内システムを東京から利用したいが、
他者が侵入できない安全な通信経路を用意したい 等

(2)性能、予算を決める
回線や機器を2つずつ用意して障害に備えたり、
多人数の同時利用時も、一定の速度が保てる機種を選定したり、
この組み合わせならいつまでにいくらで完成する 等を見積もる

(3)お客さんに了承をもらった上で機材や回線を手配・設計を開始
そもそも何のために必要なネットワークなのか、や
不正アクセス等のリスクをどのように防止するか、等を資料に残す

(4)機器を設定、内部でテストしてOKなら各拠点に設置する
初期不良がないか、とか希望する速度が出るか等を確認

(5)無事に通信できることを現地でテストする
2つ用意したうちの1台の電源を落としても無事に動作するか 等

(6)運用担当者へ引き継ぎを行う。
運用担当者へ、障害時に出力が想定されるログの内容を展開する 等


◆ネットワークエンジニアのメリット

・ある程度若く(25歳前後??)、資格を取得すれば未経験でも就職できる
・知識が増え、理解が深まることで強いやりがいを感じる
・冷暖房の利いたオフィス内で、座って仕事ができるため肉体的な疲労感は少ない
・C言語やJAVA等、開発担当者レベルのプログラミングは出来なくても良い
・特定の業務知識に限定されず、担当システムの業種に固執する必要がない
・仕事の効率性を意識できるようになると、自然とPCの操作が早くなる

SEと言えばプログラミングと思われがちですが、プログラミングはアプリケーション担当者が主担当ですので、ネットワークエンジニアはプログラミングに精通していなくとも務まる場合が多いです。

作業効率化のためにVBA等の簡単なプログラミングができれば便利ですが、
最初から覚えておかなくとも問題ありません。
よって、プログラミングに苦手意識があっても、比較的とっつきやすいと言えます。

他にも、長らく証券系のシステムを扱ってきたアプリケーション担当者は、医療系のシステムを担当する際に、業務知識を生かしにくいですが、
ネットワークエンジニアの場合は、ネットワークという根本的な要素は変わらないため、転職する場合も業種の選択肢を広くとることができます。


◆ネットワークエンジニアになるには

CCNAを取得すれば採用される確率がぐっと上がります。
お勧めは徹底攻略シリーズ(通称:黒本)です。

古い試験バージョンのものも販売されているので、
学習に重なる範囲はあれど、なるべく最新のものを選ぶようにしましょう。


完全に未経験・無知識の方が目指す場合、
まずは以下のように簡単な書籍から始めるのが良いと思います。


CCNAが取得できたら、就職活動をしつつ、情報処理知識を底上げすべく、
基本情報処理技術者の取得を目指しましょう。
より上位を目指す方は、こちらの記事も参考にして下さい。

◆ネットワークエンジニアのデメリット

覚えるべきことが多いです。これに尽きます。2年目くらいまでは、打ち合わせやメールで聞き慣れない用語が飛び交うことから、ひたすら勉強が必要となります。

・一般的な情報処理技術の知識も必要となることから、日々勉強が必要
・トラブル発生時や、期限が厳しい時など残業が多くなる
・お客さんの確認をもって仕事が完了するので、確認中の待ち時間が多い
・お客さんの作業時間制約により、夜間や休日の作業を要することも


◆ネットワークエンジニアの向き、不向き

真面目でやる気があるのが一番ですが、下記のように考えています。

【適正あり】
 ・調べものが好きな人
 ・原因や理由を追究することが好きな人
 ・達成感ややりがいを求める人
 ・日ごろから改善要望や向上心が強い人

【適正なし】
 ・コンピュータシステム全般に興味を持てない人
 ・言われたことだけやっていたい人
 ・新しいことを覚えたくない人
 ・絶対に標準勤務時間を崩したくない人


◆ネットワークエンジニアの落とし穴

一般にネットワークエンジニアは、前述の(b)を指すのですが、未経験OKを謳うネットワークエンジニア求人の実態は(d)運用担当者(オペレータ)や、(e)保守担当者(カスタマーエンジニア)であることも多いです。

前者はひたすらメッセージを見て連絡、後者はひたすら連絡を受けて機器交換が実態ですので、実務経験によって得られる成長の度合いが少ないですが、異常が無ければ仕事が少ないので、空き時間に資格の勉強をしたりと「業界( or 社会人)経験無し」というレッテルを無くしつつ給料をもらって勉強をすることも環境次第で可能です。

上位の資格が取れたり、仕事に慣れてきたら、上司に「上流工程に挑戦したい」と要望を伝えたり、本当の「ネットワークエンジニア」として活躍できる会社に転職することがおすすめです。